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妖(あや)しの月に~光と闇の王~【第二部 光の王】

第3章 忍

 尚薬からもくれぐれも言い含められている懸案事項だ。発作を繰り返すほど、精神に来たした異常はひどくなり、症状は悪化する―忌まわしい病を持つ王をできるだけ早く宥めなければならない。
 厄介なことになったものだ。大人しく殿下の想いものになれば良かったものを。
 女官長は大仰な吐息をつき、初夜の新床かに逃げ出した清花を恨めしく思った。 

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