ガーディスト~続編~
第6章 ハロウィンの夜に(後編)
『この井戸に落ちたんだ』
「……」
(やっぱり落ちたんじゃねぇか…)
護は次の言葉を待った。
『だけど、その時は生きてたよ。ハロウィンの日にね、お菓子を貰いに来て、何か珍しい物があるなぁって興味本位に覗いたら手を滑らしちゃってさ…
すぐに大人たちに助けてもらったんだ』
「……」
『だけど家に帰ってから、僕の大切な宝物がないことに気づいて。すぐに探しにいきたかったんだけど、病気だったからなかなか外に出れなくて…それで結局探せないまま死んじゃって…』
「なるほどな…それが心残りでここに住み着いたってわけか」
『…うん。だけどみんな怖がって、誰も僕に気づいてくれなかった。しかもそのうち空き家になって、誰も寄りつかなくなってしまったんだ』
護は耳を傾けながら、土を掘り続けた。
『それでたまたまハロウィンの日に、空き家だと知らずにお菓子を貰いにきた子供たちがいてさ。彼らには僕が見えたんだ。だけど井戸の中には入れないって断られてさ…』
「…」
『だけどわかったんだ、ハロウィンの日になれば、この家に人が集まってくる。いつか、僕の宝物を探してくれる人が現れるはずって…』
そう言ってジャンは、必死に土を掘り起こす護の姿を見つめた。
『10年目にして、やっと見つけた』
「……10年か、そりゃ長かったな」
護はザクザクと土を掘り続けた。
じんわりと汗が滲み出る。
「……」
(やっぱり落ちたんじゃねぇか…)
護は次の言葉を待った。
『だけど、その時は生きてたよ。ハロウィンの日にね、お菓子を貰いに来て、何か珍しい物があるなぁって興味本位に覗いたら手を滑らしちゃってさ…
すぐに大人たちに助けてもらったんだ』
「……」
『だけど家に帰ってから、僕の大切な宝物がないことに気づいて。すぐに探しにいきたかったんだけど、病気だったからなかなか外に出れなくて…それで結局探せないまま死んじゃって…』
「なるほどな…それが心残りでここに住み着いたってわけか」
『…うん。だけどみんな怖がって、誰も僕に気づいてくれなかった。しかもそのうち空き家になって、誰も寄りつかなくなってしまったんだ』
護は耳を傾けながら、土を掘り続けた。
『それでたまたまハロウィンの日に、空き家だと知らずにお菓子を貰いにきた子供たちがいてさ。彼らには僕が見えたんだ。だけど井戸の中には入れないって断られてさ…』
「…」
『だけどわかったんだ、ハロウィンの日になれば、この家に人が集まってくる。いつか、僕の宝物を探してくれる人が現れるはずって…』
そう言ってジャンは、必死に土を掘り起こす護の姿を見つめた。
『10年目にして、やっと見つけた』
「……10年か、そりゃ長かったな」
護はザクザクと土を掘り続けた。
じんわりと汗が滲み出る。