ガーディスト~続編~
第7章 視えない男(前編)
新幹線が発車して30分程経った頃、
「ね、ゆーじ。見て見て、富士山!」
つばきが嬉しそうに、反対側の窓を指差して言った。
街の向こうには、白い雪を被った富士山がハッキリと見える。
「いいですね、いつ見ても神々しいですね」
浅井が答えた。
しばらく3人で富士山を眺めていると、新幹線は次の駅に到着した。
「あ、すみません、ちょっとトイレに…」
浅井が席を立ったので、祐司もその後を追う。
扉からは続々と乗客が乗り込んできて、通路では沢山の人とすれ違った。
トイレに着くと「すみません」と一声かけて、浅井は個室に入った。
祐司は扉の前に立ち、周りを警戒する。