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ガーディスト~続編~

第8章 視えない男(中編)

「あの~こんなこと聞くのもあれなんですけど、もしかしてお客さんたち追われてます?」



運転手がバックミラーをチラチラ見ながら言った。



「…どうしてですか?」



祐司が聞き返す。



「いやね、駅からずっと後をついてきてる車がいるんですよね~」



「!」



祐司は後ろを振り向いた。
車間を開けて、黒のワゴンRが走っているのが見える。



タクシーが左折すると、ワゴンRも左ウインカーを出して左折した。



「ほらね。この先はもう住宅地しかありませんから、地元の人なんでしょうかねぇ」



「…」



タクシーの運転手の表情は二ヤいている。
この状況を楽しんでいるようだ。



「もうすぐ…私の家です」



ずっと黙っていた浅井が、静かに口を開いた。




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