ガーディスト~続編~
第8章 視えない男(中編)
思いがけない男の言葉に、浅井はハッとする。
「…図星か。だからあんたの家族はあんなに哀しい顔をしていたんだな」
「…妻と娘が見えるんですか?」
「新幹線の中で一瞬な。あんたが引き寄せた霊と、この“場”のせいで、今は近付くことができないみたいだ」
「そうですか…」
浅井は肩を落とした。
そして自分の浅はかさに腹が立った。
家族をないがしろにしたことで後ろめたさが生じ、憎んでいるのではと勝手に思い込んでいたのだ。
全ては自分の心の弱さが原因だったのに…
「浅井さん…」
つばきは心配そうに浅井の背中を見つめる。
なんて声かけたらいいかわからない。
だけど…
奥さんと娘さんは浅井さんを恨んでなんかなかったんだ…
つばきは少しホッとした。