ガーディスト~続編~
第8章 視えない男(中編)
バタン…
その時、どこかで音がした。
祐司たちは一斉にその音の方に振り向く。
浅井家の隣の家から、学生服を着た少年がこちらに向かって歩いてきた。
顔は俯いており、どこか様子が変だ。
「…明くんじゃないか、どうしたんだい?」
「よせ、近づくな」
少年に近づこうとする浅井を、男はすぐさま制止する。
「とり憑かれてやがんな…」
男がそう言うと同時に、少年はポケットからかなづちを取り出した。
「うおおおおお!!!!」
突然雄叫びをあげ、かなづちを振り回しながら襲いかかってくる。
「逃げろっ…」
祐司は、とっさに浅井とつばきの腕を引っ張り走り出した。
「じいさんも逃げな」
男は老人の前に立ち、身構える。