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ガーディスト~続編~

第8章 視えない男(中編)

「おじさん…」



気付けば浅井も少年も、涙を流してた。



「う…うぅ…」



浅井は拳を地面に叩きつけた。



「私はっ…私は…なんてことを…!!」



何度も何度も叩きつける。
そのうち拳には血が滲み出した。



「…浅井さん、もう…」



その姿を見守っていた祐司が、それを止めるように浅井の肩に手を置いた。



「自分を傷つけるようなことはしないでください」



そう言って白いハンカチを取り出すと、その手に巻いた。



「……う…くっ…」



とめどなく涙が流れ、浅井は言葉を発することができない。



「浅井さん…」



浅井の痛々しい想いが伝わって、つばきの瞳からも涙が溢れていた。





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