テキストサイズ

ガーディスト~続編~

第8章 視えない男(中編)



「浅井さん!?」



突然つばきの叫び声が聞こえた。
振り返ると、浅井が自宅に向かって走っていく姿が見える。
すぐさま追いかけようとすると、腕を掴まれた。



「今行くと、あんたまで喰われっぞ!」

「離せ、それでも俺は依頼人を守らなきゃいけないんだ」



2人は睨み合う。



「フッ…あんたはとことん馬鹿なようだな」

「なんとでも言え」



男の手を振り払い、祐司は浅井の後を追う。



「かっこつけやがって…」



ボソッと呟くと、鋭い視線を感じた。



「…んだよ」



睨んでいたのは、つばきだった。



「…あなたの力は偉大かもしれないけど、人としての優しさがちょっと欠けてる。人を救うって、除霊するだけじゃないんだよ?」



つばきはそれだけ言うと、祐司の後を追いかけた。



「…はっ…」



(気のつえー女…)



男は不機嫌な顔をしながら、踵を返す。




(忠告したからな…オレは知らねぇからな…)




だけど足が止まる。



「…ちっ」



舌打ちすると、男は浅井の家に向き直した。







ストーリーメニュー

TOPTOPへ