ガーディスト~続編~
第8章 視えない男(中編)
「ゆーじ?どこ…?」
その時、玄関でつばきの声がした。
「よせ、来るな!」
つばきまで危険な目に合わせたくない。
祐司はとっさに大声で叫んだ。
その時、
「きゃっ…」
つばきは誰かに背中を突き飛ばされた。
バタン!!
そして玄関の扉が勝手に閉じられる。
「つばき…!?」
「ゆ、ゆーじ…今、誰かに背中押されて…や だ、ドアが開かないよ…!」
ガチャガチャとドアノブを回してみるが、 ビクともしない。
「ゆーじ…」
「つばき、今からそっちに行くから動くなよ」
「うん…」
つばきの声がうわずる。
何か得体の知れないものの気配がして、全身が総毛立った。
ここにいてはいけないと、本能が警告している。
「ゆーじ…どこ…?」
周りは暗闇で、祐司の気配すらしない。
つばきの鼓動が早くなった。
その時、
クスクス…
「!?」
耳元で子供の笑い声がした。
「いやっ!」
つばきはとっさに両耳を抑え、座り込む。