ガーディスト~続編~
第8章 視えない男(中編)
「いや…怖い…ゆーじ…」
ガタガタと震えていると、今度はガッと足首を掴まれた。
「ひっ…」
あまりの恐怖に、声が出ない。
(いやっ…いや…!ゆーじ…ゆーじぃ…!!)
目をつむると、何かが肩に触れた。
「い…」
「大丈夫か!?」
聞き慣れた声に、全身の力が抜ける。
「ゆーじ…」
次の瞬間、目の前がパッと明るくなった。
目の前には、ライトを持った祐司の上半身が見える。
「ゆーじ…」
「ばか、なんでついてきたんだ」
ふわり、と抱きしめられた。
「ゆ、ゆーじ…」
祐司の暖かいぬくもりが伝わってきて、つばきはホッとする。
「だって…浅井さんが心配で…」
つばきの鼓動は、別の意味でドキドキし始めた。
「その気持ちはわかるが、俺の気持ちも考えてくれ」
更にギュッと抱きしめられる。
「ゆーじ…」
ドクンドクン…
(あたしの心臓…ゆーじに聞こえちゃう…)
不思議…
さっきまで恐怖でいっぱいだったのに、好きな人がそばにいるだけで、こんなに心が落ち着くなんて…