ガーディスト~続編~
第8章 視えない男(中編)
(大切な人を失うくらいなら、俺は…)
再び漆黒の手が、祐司のもとに伸びてきた。
戦意を失った祐司は、それを虚ろな目で見つめることしかできない。
《ゆーじ!!》
瞬間、つばきの叫び声が脳裏に響いた。
「つばき…?」
《諦めないで!! あたしは大丈夫だから!!》
つばきの強い意志が、ヒシヒシと伝わってくる。
「…つばき…」
(…そうだ、諦めちゃいけない…)
祐司の瞳に、一筋の光が宿った。
(俺の使命は、護ることなのだから…!!)
その時、
ドン!!
大きな音と共に、祐司の体に圧力がかかった。
「!?」
視界がパアッと明るくなる。
(な、なんだ…これは…)
すうっと体が軽くなった。
ギィヤァァァァ…!!
眩しい光に、ザザァッと禍々しいモノが後退していく。
真っ暗闇だった部屋は、一気に明るくなった。