テキストサイズ

ガーディスト~続編~

第8章 視えない男(中編)

その時、玄関のドアが開いた。



「…よぉ…」



真っ青な顔で入ってきたかと思うと、男は崩れるようにその場に倒れ込んだ。



「…大丈夫ですか!?」
「……力を使い過ぎた。少し休ませてくれ…」



そう言うと男は、そのまま気を失った。



「ゆーじ、どうし…」



倒れてる男の姿を見て、つばきはびっくりする。



「大丈夫、気を失ってるだけだ。つばき、手を貸してくれ」



祐司は男の体を起こすと、つばきと一緒に居間のソファーに寝かせた。



「浅井さんも、あんな所じゃ風邪ひいちゃうよね」



勝手に布団を敷くのは気がひけたが、あのままよりはマシだろうと、祐司たちは浅井を和室の部屋に寝かせた。



ついでに土足で上がってしまった部分を、綺麗に拭き掃除する。



気付けば辺りはすっかり暗くなり、部屋の中は暗闇とまではいかないが、薄暗くなっていた。



だが恐怖感はない。



「電気つかないみたいだね」
「怖いか?」
「ううん、今日は満月だから、月の光で十分」



フフッと無邪気に笑うつばきを見て、祐司はつばきの頭をクシャッと撫でた。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ