ガーディスト~続編~
第8章 視えない男(中編)
祐司が改めて自分の手のひらを見つめていると、
「火之迦具土神か…火の神様だな」
男が祐司に向かって言い放った。
「ええ…やっぱりあなたが俺に降臨させたんですね。まだ信じがたいですが、この手のひらから炎が一瞬出てきたんです…」
それを聞いて男以外は、目を丸くした。
「すげぇ!じゃあその力があれば、みんなに憑いた霊も祓えるんじゃないの?」
少年・明は、興奮気味に言った。
「…だめだ。この土地に守り神が存在しない限り、同じことの繰り返しになる」
男が答える。
「え、じゃあ…その、ひのなんとかの神様に、守り神になってもらえばいいんじゃないの?」
少年がそう言うと、祐司は首を左右に振った。
「土地が合わない」
「へ?なんでお兄さんがわかるの?」
「俺の中の火之迦具土神がそう言ってる」
祐司も自分で話していて、不思議な気分だった。