ガーディスト~続編~
第8章 視えない男(中編)
それを隣で聞いていたつばきは、一人愕然とした。
(じゃあさっきの、我とかじゃとか…
あたし、神様としてたってこと!?)
つばきは複雑な表情で、祐司を見つめる。
(そんな…じゃあ、あのキスも、強く抱きしめてくれたのも…
てか、どこからゆーじで、どこから神様だったわけ!?)
つばきは肩をガックシ落とす。
(あのキスがゆーじの意志じゃなかったんなら…あたし…
あたしのファーストキスを返せぇぇぇ!!)
つばきは凄い勢いで男を睨み付けた。
その殺気に気付き、男はつばきに振り返る。
(…は?なんで睨んでんだよ、あの女)
「…それで、大縣神社には何の用ですか?」
浅井が話を戻す。
「この地には守り神がいないだろう?だから大きな神社に鎮座している神を迎えれば、悪霊に荒らされることもなくなるってわけだ」
「なるほど、有力な神なら悪霊を沈めることは簡単ですからね。でもそんな簡単にこちらの言い分に応じますかね?」
「もちろんそれなりに迎えた神を盛大に祀らなきゃいけないだろう。それは村長と相談する」
「つまり、神様に交渉しに行くわけですね」
「ああ、今からな」
そう言うと、男はソファーから立ち上がった。