ガーディスト~続編~
第9章 視えない男(後編)
祐司は浅井と明を守りながら、こっちに向かってくるところだった。
つばきの胸がチクンと痛む。
「…」
そんなつばきの様子を、男はじっと見た。
5人は合流すると、すぐに車に乗り込んだ。
運転席に男、助手席に浅井、後部座席に明、つばき、祐司が乗った。
ワゴンRには少し狭い。
「もっとでかい車はなかったのかよ」
明が文句を言う。
「嫌なら降りるか?」
男はエンジンをかけ、サイドブレーキを下ろした。
明はブンブンと首を左右に振る。
カッと車のライトが、道を照らした。
進行方向には悪霊に取り憑かれた住人たちが、まだウヨウヨいる。
「バイオハザードじゃないんだからさ…」
震えながら明は呟いた。
「明くんもあんな感じでしたよ」
浅井がにっこり笑いながら言う。
「えええ~!!マジで!?」
落ち込む明をよそに、男はギアをバックに入れアクセルを踏んだ。
車は勢いよく後ろに下がり、向きを変える。
「んじゃ、案内頼む」
浅井は頷いた。