ガーディスト~続編~
第9章 視えない男(後編)
街灯の少ない住宅地を走ると、突き当たりに大きな鳥居が見えた。
すぐそばの土産屋の駐車場に停めると、祐司たちは車から降りる。
「真っ暗じゃん」
明の声が震える。
鳥居をくぐればすぐ左側に社務所があるが、灯りはそこだけだった。
男は車のダッシュケースから持ち出した懐中電灯をつけた。
祐司も小型ライトをポケットから取り出す。
「ほんとに、夜の神社は不気味ですね」
浅井が周りを見渡しながら言った。
「つばき、大丈夫か?」
車に乗り込んでからやけに大人しいつばきを、祐司はずっと気にかけていた。
「うん…大丈夫だよ」
明るい声が返ってくる。
だけど、どこか覇気が感じられない。
祐司はそっと、つばきの手を握った。
一瞬ビクッとしたが、つばきも握り返す。
(ゆーじ…)