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ガーディスト~続編~

第9章 視えない男(後編)



砂利道を少し進むと、そこに御神体はあった。


懐中電灯を照らすと、石のようなものがある。



「これか…」



よく見えないが、確かになんとなく女性の性器の形をしていた。





「ちょ、ゆーじ!? どうしたの…!?」



突然、つばきが叫びだす。

突然隣にいた祐司が、両手で顔を隠しながら後ずさりをしだした。
手に持っていた小型ライトが地面に落ちる。




「…どうした!?」


男が振り返る。




「ゆーじっ…」

「このようなものを我に見せるとは…ああ、思い出してしまったではないか…!」





また祐司の口から、よくわからない言葉が出てくる。




「ああ、嫌だ。我はもう退散するぞよ…」





そう言うと、祐司の身体が赤く発光した。




「!」




魂が抜けるように、天に向かってゆらりと一筋の光が伸びる。



一瞬、周りがぼんやりと明るくなった。




「!」




伸びた光は、そのまま吸い込まれるように天に向かって消えていく。



がくん、と祐司の身体が地面に崩れた。





一瞬の出来事に、誰も動けなかった。





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