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ガーディスト~続編~

第2章 死んでもストーカーする男(後編)

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「それじゃあ、さっき私が見たのは…あの男の幽霊だって言うの!?」




青ざめた表情で綾は言った。




「おそらく…」




祐司が答えると、綾は自分の両腕を掴み小さくうずくまった。




「なんで!? 私が消えろって言ったから!? どうして私ばかりこんな目に合うのよ!!」




再び綾は興奮状態に陥った。
見かねて祐司が背中をさする。




「安心してください、俺たちが必ず原因を解明しますから」




「…どういうこと?」




「俺たちにも霊が視えるんです。だから霊の危害からあなたを守ることができます」




綾は目を丸くした。




「除霊…とかできるの?」




「それはできません。でも原因を解明し、霊を説得することができます」




「そ、そんなのっ…もし説得できなかったらどうするの!? 私は嫌よっ…まだ死にたくない!!」




うわぁぁぁ!!と綾はうずくまり泣き出した。



もうあの毅然とした態度でいた綾ではない。
常に虚勢を張り、自分のペースを乱されるのを嫌っていた綾。

そのバランスが崩れると、こうも脆くなってしまうのか…




綾が落ち着くまで、祐司は背中をさすることしかできなかった。






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