ガーディスト~続編~
第1章 死んでもストーカーする男(前編)
つばきは圭吾の机の上に、マグカップを置いた。コーヒーの香りが、オフィス内に一気に充満する。
「ありがとう」
「今日は砂糖入れますか?」
「一本ね」
つばきはスティックタイプの砂糖を圭吾に渡した。
「あたしてっきり圭吾さんは、ブラック派かと思ってました」
「こんな仕事してるとね、甘い物が欲しくなるんですよ」
そう言いながら、圭吾は砂糖の入ったコーヒーをスプーンでかき混ぜた。
「ああそうだ、駅前に新しいケーキ屋さんが出来たの知ってますか?」
「そうなんですか!?」
「そこのチーズケーキがすごく美味しいんですよ。機会あればみんなで食べにいきましょう」
「チーズケーキかぁぁ!! 食べたい!!」
目を輝かせるつばき。
その姿を見て圭吾は微笑した。
「あっ、それならつぐみさんと美夏も誘おうかな?圭吾さん、最近つぐみさんと会ってる?」
「いえ、彼女も看護学校とバイトで忙しいですからね。なかなか会えませんね」