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精霊と共に 歩睦の物語

第7章 夏の剣道大会…

     *

「面あり!」
 主審が旗を上げる。

 わーっと歓声が上がる。

 その声を聞き、両選手は元の位置に戻る。

「勝者、土居君!」

 〈そんきょ〉をして竹刀をおさめる。
 剣をおさめた後、立ち上がる。
 後ろに下がってお互いに礼をする。
 審判と共に正面に一礼して退場する。

 土居歩睦 初戦を面二本で勝利。

「ハァ……フー…」
 歩睦は荷物まで戻ると、面を外す。

「歩睦。やったな!」
 涼が肩腕を上げて向える。

「ああ…」
 歩睦は涼の腕に軽く当てる。

「次は、誰?」
 涼がトーナメント表を見ている。

「誰だろう?ゴクゴク…」
 歩睦は手ぬぐいを外す前に、スポーツ飲料を飲む。

「うーん、田中君かな…」
 涼が他の試合の結果を確認している。


「おめでとう」
 背後から声をかけられた。

「ありがとうございます」
 歩睦はその声の方に振向く。
 そこに立っていたのは北沢だった。

「試合を見てたよ。早く決勝で君と戦いたいな「」
 笑顔だけど、目が笑っていたない北沢。

「決勝かぁ、勝ち上がりたいね」
 歩睦は謙遜して言う。

「何、弱気なんだ!絶対オレと戦え!」
 北沢は、睨みつけて言う。

「わ、わかったよ、頑張る」
 圧倒されて困っている歩睦。

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