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精霊と共に 歩睦の物語

第9章 武器を取れ!

{さっきも言ったけど、ココは北沢くんの領域だから、北沢くんの願いを叶えると『彷徨く者』の呪縛が薄くなるはず}
 ユティルが打開策の案を出す。

(この世界は北沢くんの願いが形になっている…だから、僕が北沢くんの願いにそった行動をすれば、元に戻せるかもしれない…)
 歩睦は頭の中で色々考えている。


{まずは歩睦の武器を召喚する!手を繋いで、僕の言葉を復唱して!}
 ユティルが胸の前に手を歩睦の方に手を差し伸べる。

「わかった」
 歩睦はユティルの小さな手をとる。

 にっこり笑ったユティルは、大きく深呼吸する。


 {大地の核の力で…}
 チラッとユティルが歩睦を見る。

「あ…『大地の核の力で…』」
 慌てて歩睦が言葉を復唱し始めると、胸のペンダントが輝きながら浮き始める。


 {結ばれし、共にする者}

「『結ばれし、共にするもの…』」
 歩睦は、初めて聞く言葉なのに、間違わずに復唱できる。


{我が器に宿りし刃を我が手元に来たれ}

「『わが器にやどりしヤイバを我が手元に来たれ』」
 歩睦の魂がその言葉を知っているのだ。


 目を閉じ胸に手をあてる。

 光が歩睦を包む。
 あたたかい光…
 身体が軽くなる。

 歩睦は目を閉じたまま、胸の手を開き、両手の掌をゆっくり上げる。
 歩睦の胸から光の塊が現れ、掌の上で輝いている。

{いい感じ、そのままイメージを固めて!}
 ユティルの声が響く。

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