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精霊と共に 歩睦の物語

第9章 武器を取れ!

「さぁ試合再開だ!」
 北沢がいきなり襲ってきた。

 ガッ!
 歩睦が瞬間的に防御姿勢をつると、体中に剣道防具がセットされている。

 北沢には、防具がない。しかし、肩や足が異様に大きく張っている。

「キャッホォォー」
 完全にルール無視の北沢の叩きつけるだけの攻撃。

  バシン! バシン!

「わぁ!」
 右側頭部と肩に痛が走る。

「いっ…た…」
 歩睦は、右耳辺りを触りながら、下がる。

「逃げるな!」
 再度攻撃してくる北沢。

「おらおら!」
 北沢は、バラバラ足を動かし、竹刀をブンブン振って歩睦に迫ってくる。

 歩睦は間合いを取りなりんがら、すり足で逃げる。

 傍から見たら子供と大人のなんちゃって剣道。


「北沢くん…」
 歩睦は防御しか出来ない。

 防具を着けていない相手に反撃できない…

「は、はははは!どうだ!オレはお前より強いんだ!」
 北沢が、大声で笑いながら歩睦に竹刀を叩きつける。


 北沢くんこんな試合を…僕としたかったの?

 僕は君と試合するのを楽しみにしていた。

 君には僕にない強さがある。

 去年は不本意な結果だった…

 だから…

 今年はお互い本気で…

 意気込んで着たのに…

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