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精霊と共に 歩睦の物語

第9章 武器を取れ!


  痛っ!見てるだけで痛い…

 激しい打ちあいの末、場外…
 副審が声をかけてきて…
 再開…僕が胴を決めて…

 もみ合う二人。

  バシン!
 面に竹刀が当たる。

「面ありっ!」
 主審の旗が上がる。

「わーーー」
 大歓声が上がる。

 歩睦が竹刀を下ろし、元の位置に戻ろうとする。

 試合場で立ち尽くす北沢。
 よく見ると周りに黒いモヤが集まる。

「北沢くん。元の位置へ元の位置に戻りなさい!」
 副審の一人が北沢に声をかける。

「この…まま試合を続ける……かつまでぁぁぁぁ」
 北沢の身体がユラユラゆれている。

 観戦していた周りの人が、ザワザワしている。

「北沢君?北沢君?…」
 異変に気付いた主審が、北沢の角皮あてに手を置く。

「!!うるせぇー邪魔するな!」
 叫び声をあげ、主審を突き飛ばす。

「ぎゃ!」
 主審はうめき声を上げて蹲っている。

「!!」
「やめなさい」
 副審が二人がかりで抑えようとする。

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
 北沢の叫び声が体育館に響く。


 その叫び声で、ガラスが割れあちこちから悲鳴が聞える。

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