
精霊と共に 歩睦の物語
第9章 武器を取れ!
{…歩睦なら、思い出せる。思い出して!}
ユティルは歩睦に自分の見ていた世界を見せている。
「ユティル!もういいよ」
歩睦が額にあるユティルの手をそっと除け倒れている遥香のほうに近づく。
{歩睦…}
ユティルは不安そうに歩睦を見ている。
歩睦は自分の胸をさわる。
身に付けていたペンダントがない。
歩睦は無言まま、遥香を触る。
「あゆ…む…」
遥香が意識を取り戻す。
「ふー」
歩睦は一つ息を付く。
「遥香…もう、終わりにするね…」
そこらに散乱する竹刀を拾う。
竹刀から煙があがる。
{そ、そんな…}
ユティルがガタガタ身体を震わす。
「出てこい!北沢!勝負だ」
竹刀を握って構える。
構えた先には、防具をつけていない北沢が立っていた。
「やっと、僕と戦ってくれるの?」
北沢の腕が竹刀と同化している。
「ああ。やっと、戦えるようになった」
歩睦はジリジリと北沢に近づく。
「君は優しい。優しいから、欲しい!」
北沢が異様に長くなった舌で竹刀を嘗める。
「っく!」
竹刀を握る力が強くなる歩睦。
ユティルは歩睦に自分の見ていた世界を見せている。
「ユティル!もういいよ」
歩睦が額にあるユティルの手をそっと除け倒れている遥香のほうに近づく。
{歩睦…}
ユティルは不安そうに歩睦を見ている。
歩睦は自分の胸をさわる。
身に付けていたペンダントがない。
歩睦は無言まま、遥香を触る。
「あゆ…む…」
遥香が意識を取り戻す。
「ふー」
歩睦は一つ息を付く。
「遥香…もう、終わりにするね…」
そこらに散乱する竹刀を拾う。
竹刀から煙があがる。
{そ、そんな…}
ユティルがガタガタ身体を震わす。
「出てこい!北沢!勝負だ」
竹刀を握って構える。
構えた先には、防具をつけていない北沢が立っていた。
「やっと、僕と戦ってくれるの?」
北沢の腕が竹刀と同化している。
「ああ。やっと、戦えるようになった」
歩睦はジリジリと北沢に近づく。
「君は優しい。優しいから、欲しい!」
北沢が異様に長くなった舌で竹刀を嘗める。
「っく!」
竹刀を握る力が強くなる歩睦。
