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精霊と共に 歩睦の物語

第10章 元に戻れるものは、戻して…

「弾けた!衝撃に備えろ!」
 側にいた従者に指示を出す楓。


「ぐっっ…」
 突風のような衝撃。


 亜空間の壁が割れて行く。

 欠けらが、大量に振ってくる。

 とっさに霊力を集めていなかったら、無傷ではいられないだろう。

 その破片と一緒に眩い輝きが現れた。

「輝き?」
 その輝きを見上げる楓。

 その、輝きの中に人影が見える。

「歩睦!」
 楓は、その人影を歩睦だと直感で分かる。


 歩睦がゆっくり落ちてくる。



「歩睦!」
 楓は飛んで行き、歩睦を受け止める。

 歩睦は意識がない。

 楓は歩睦を抱きかかえたまま、ゆっくり地面に降り立つ。

 すると、歩睦を包んでいた光が消える。

「…っ!」
 歩睦の体重が一気に両腕にのしかかる。

「なにくそ!」
 楓がぐったりしている歩睦を支える。

 良く見ると、歩睦のあちこちから血が滲んでいる。

「怪我している…『回復隊、集まれ』」
 楓は、歩睦を地面に寝かす。

 歩睦の周りに、小人達が集まり回復し始める。

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