
精霊と共に 歩睦の物語
第10章 元に戻れるものは、戻して…
「僕は…僕の為に壊れてしまったモノを元に戻せるなら、戻したい…」
…まだ…ではない…
「うん。分かっている…でも、その方が僕がいい…」
…精霊の児(こ)よ
{はい}
ユティルが返事をする。
…共にする覚悟はあるか…
{はい}
ユティルが力強く返事をする。
光の塊は『歩睦の剣』に戻る。
…精霊の児(こ)と心を通わし…
…我が力を奮いて
…世界の平安を司る鍵となれ…
剣が歩睦の胸の中に入っていく。
歩睦の体が一瞬輝く。
{歩睦……}
歩睦の手をしっかり持っているユティル。
「思い出したよ…ユティル…洗礼式の事とか…全部ね」
歩睦はニコッと笑う。
