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　歩睦　視点　　戻る


　車から出ると、渡り川の河原だった。

　部活のメンバーやその家族。
　先生や監督もいる。

「お！優勝者のお目覚めか？」
　もうすっかり、赤い顔の監督が声をかける。


「疲れがドットきたのよね？ね！」
　楓が肩を組んで、話を進める。

「は、はい」
　そう答えるしかなかった歩睦。

「は！ははは。優勝したから、今日は説教はナシだ！先生。もう一本どうですか？」
　完全に寄っている監督。

　顧問の先生と監督は上機嫌でビールを飲んでいた。


「さ、今のうちに！」
　楓の誘導で、家族のいるバーベキューセットの前にやってきた。


「お兄ちゃん。目が覚めた？お肉守ってたよ！」
　実が焼いた肉を持ってきた。

「ありがとう。実」
　歩睦が実の頭をなぜる。


「さ、お腹空いたでしょ、食べなさい」
　信司かクーラーからお肉のパックを持ってくる。

「あれ？まだあったの？」
　実がシュンとする。

「実が残してくれてた方から食べようかな？」
　歩睦が、実の皿から肉を一つ取る。

「うん。美味しい！」
　ニコニコ笑顔の歩睦を見て、実も笑顔になる。

「おにぎりもあるわよ」
　景がおにぎりを出す。

「じゃ、私は野菜を焼こうかな？」
　遥香も何かしたくなって、野菜を取りにいく。