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精霊と共に 歩睦の物語

第11章 記憶の…困惑

「………」
 遥香を目で追う歩睦。

「よ!目が覚めたか?」
 涼が缶ジュースを持ってきた。

「ああ。どれ位…僕は寝てた?」

「そうだな。ココに来たのが、三時ごろだったから…二時間くらいかな?」
 涼が腕時計で時間を確認する。

「そうか…」
(怪我は…無いようだな…)
 アユムは涼を見ている。

「なんだよ!そんなに見つめられると、お前でも照れる…」
 涼が少し赤い顔して言う。



{アユム様…}
 女性の声がした。

「え…」
 歩睦は回りを見回す。



「こんにちは」
 紅葉が笑顔で二人に近づいてきた。

「紅葉さん!」
 涼は紅葉を確認すると歩睦を押しのけ走っていく。

「涼くん。準々優勝おめでとう!」
 紅葉が涼に小さな花束を渡す。

「ぼ、僕にですか?」
 花束を両手で持って目をウルウルさせる。

「ふふ。これ皆さんの分。配ってくれる?」
 紅葉が持っていた荷物を涼に渡す。

「わかりました!」
 涼は右手を額に当て直立する。

 紅葉はにこにこ手を振る。

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