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精霊と共に 歩睦の物語

第11章 記憶の…困惑

「に、逃げやかったな!」
 涼が再び蹴りの攻撃する。

「だ、だから僕は何もしないよ」

「紅葉さんの足を触ろうとしていただろ!」
 涼の顔は『羨ましい』と言わんばかりな真っ赤になっていた。

「足?そ、そんな事…」
 歩睦の体の上に涼がのし掛かった。

「ユティル…何とかして!!」
 歩睦が叫ぶ。


  ユラッと空間の色が変わる。

 涼の動きが止まる。

「な!」
 歩睦は固まった涼を押しのけ、立ち上がる。

「また敵?」
 歩睦が警戒しつつ、涼の安全を確認する。


{違うよ!!僕が止めたの!}
 ユティルが現れた。

「ユティル!ビックリした…もっと、やさしく助けてよ」
 歩睦がペタンと座り込む。

{……歩睦はまだ、僕や従者の存在をキチンと把握していいない。
人がたくさんいる所で、僕らを呼んだらダメだよ}
 ユティルが少し困った顔をする。

「なぜ?」
 歩睦は納得していない顔をする。

{僕らは、ある程度の力を持つ器の者じゃないと認識しない}

「そうなの?」

{試してあげる!}
 パチンと指を鳴らして空間を元に戻すユティル。

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