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精霊と共に 歩睦の物語

第1章 夏休みは部活だ!

 夏休みに入ってまだ二日目。

 生徒達は学校に用事がまだいろいろある。

 部活に行くもの。

 休みだから、遊びに来ているもの。
 だから、通学路には生徒達がうろうろしている。


 いつもの通学路に見知らぬ男の人が立っていた。

 歩睦はその人の存在に気が付いたが、それほど気にしないで前を通り抜ける。

「きみ…」
 いきなり、その男の人が歩睦の腕を掴んだ。

「わぁ!何するんですか!」
 歩睦は大声を出した。

「きみから、強い力を感じる…」
 男は歩睦の腕をしっかり掴んだまま、歩き出した。

「ちょっと、何するんですか!離して下さい!」
 歩睦は意味不明の行動に驚き、腕を振り払った。

「もっと効率よく、その力を使わないともったいない…」
 他の人は見向きもせず、真っ直ぐ歩睦を捕まえようとする。

 歩睦は、その男の人の瞳に焦点がないことに気が付く。

(やばい!この人ヤバイ人だ、にげろ)
 歩睦は一目散で学校に急いだ。


 学校の校門を抜けて、後ろを振向く。
 男の人は追ってきていない。

「ふー、朝からダッシュはきつい」
 息を整えながら、歩睦は部室に急ぐ。

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