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精霊と共に 歩睦の物語

第2章 少しずつ動き出す輪

「お母さん、僕ね。洗濯物取り込んだよ」
 実は洗濯物を指差す。

「本当!助かるぅ」
 景は実の頭を撫ぜる。

「畳んだのは、兄ちゃんだけどな」
 歩睦は、実の後ろに立つ。

「もう、今僕が褒めてもらっているのに!」
 実が歩睦をポカポカ叩く。

「いたた、ごめんごめん」
 歩睦はそんなに痛くないが、痛がって逃げる。

「まてぇ」
 追っかける実。

「こらこら、食事している人のそばで騒がない」
 信司は走り回る二人を止めようとその輪に入る。

「わー、お父さんが襲ってくる」
 実は笑顔で走り出した。

「あぁ、だから、今お母さんが食事を…」
 信司は逃げる実を捕まえようとする。


「ふふ、子供が三人だ」
 景は、走り回る三人を見て笑顔になる。

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