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精霊と共に 歩睦の物語

第3章 せっかくの休みなのに

  チ、チチ
 外から鳥の声がする。

「ん……」
 薄目を開けると、カーテンの隙間から朝の光が射し込んでいるのがわかる。

 今日は夏休み入って初の部活のない日。


(あさ……)
 昨日の晩は、久しぶりに夜更かししたけど、やっぱり、いつもの時間に目が覚める。

 ベッドの上でゴロゴロ寝返りを打つが、二度寝にならない。逆に目が覚める。

(うーん……起きよう)
 歩睦はベッドの上で思いっきり、寝たままで伸びをした。


 いつもなら、学校ジャージに着替えるところだが、今日はお休み。
 はいていた短パンから、ジーンズに履き替えて、部屋を出た。


 階段をトントンとおりていくと、一階で新聞を読む父信司が見えた。

「おはよう、父さん」

「ああ、おはよう。今日はゆっくりですね」
 新聞越しに返事をする信司。


「うん。今日は部活ない」
 歩睦も軽く挨拶だけして、顔を洗いにいく。


 バシャバシャと洗った後、タオルで顔を拭く。

「ふー」
 鏡の中の自分を見ると胸のペンダントが見える。

 何気なく触る。

「変じゃないかな?」
 歩睦は鏡の前でポーズをする。

 ペンダントを貰って、数日が過ぎる。
 剣道の練習中は携帯のストラップみたいになっている。

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