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精霊と共に 歩睦の物語

第3章 せっかくの休みなのに

「あ!今日ね。みんなでプールに行こうって話したんだけど、行ってもいい?」
 実は、キッチンの景に聞く。

「誰と行くの?」

「大輔と孝太と涼華」
 景の質問に食べながら実は答える。

「市民プールに行くのなら、これを持っていきなさい」
 信司は、小型の防災ベルを実に渡す。

「何かあったら、その紐を引き抜くと良いよ」
 信司は笑顔で言う。

「わかった」
 実は素直に首にかける。


「もうこんな時間!信司さん、急がないと!」
 時計を見てびっくりする景。

「あ!急ぎます!」
 信司はあわてて朝食を食べる。

 バタバタとソファー上のカバンを持つと、玄関の方に走っていく信司。

「いってきます」

チュッ

 信司は景とキスをして出掛けていった。

「いってらっしゃい」
 景は玄関で手をふって見送る。

 結婚してから欠かさない、二人のスキンシップ。息子達は見慣れている。


 いつもの朝の風景。

 少し変わったのは、信司の深夜帰宅が少なくなった。

 信司に理由を聞いても、ニコッと笑うだけだった。

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