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精霊と共に 歩睦の物語

第3章 せっかくの休みなのに

     *****

 噴水公園に着いた。

「ちょっと、早くきちゃった…」
 公園に入っていく歩睦。

 木々がザワザワなびく。

「気持ちいい」
 風を感じながら、公園内に入る。


「あ…そういえば、あの場所どこかなぁ」
 歩睦は、記憶の中の広場を探す。

 公園のなかを少しウロウロする。

 こないだの場所は見当たらない。

「うーん、広場はないなー」
 公園のマップの前に立つ歩睦。

「どうしたの?」
 後ろから、声をかけられた。

「ちょっと,探しもの…」
 振向くと紅葉がたくさんの紙袋を持って立っていた。

「こんにちは。今日は一人?」
 紅葉は周りを見回す。

「えーっと、多分もうすぐ…来ます」
 いきなりの紅葉の登場で、慌てる歩睦。

「歩睦君…だったわね」

「あ、はい!今から、お店ですか?」

「ええ、そうよ」
 紙袋を持ち替えながら話す紅葉。

「あ、持ちますよ」
 紅葉の荷物を持とうと手を出す。

「え、いいの?」

「はい。きっと、涼もお店に行きますから」
 歩睦は荷物を持って笑顔に言う。

「ふふ、楓ちゃんの好きそうな子」
 ニコッと笑う紅葉。

 その笑顔が楓の顔とかさなる。

(ああ…ホントに従兄弟なんだぁ)
 歩睦は笑顔で対応する。

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