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「…気をつけて…」
　歩睦の声が小さく聞える。

「心配ありがとう…歩睦を護るのは、私の役目…」
　完全に扉を閉め上にソファーを戻す。


〔汝、我と共に、この地を守れ〕
　楓の周りにたくさんの犬が現れた。

「さて、侵入者排除と涼救出作戦開始！」
　楓は、肩と首を回して準備体操する。



「どこに！どこに居る。この私の新たな同士よ！私と共に門を開き共に約束の地に立とう！」
　すっかり元の姿に戻ったクールビズスタイルの男が、大声を上げている。

「おまえの友人もここにいるぞ！」
　その側に、涼が首輪を付けられた状態で引きずる鎖の擦れるジャラジャラと音を立てている。
涼はまだ気を失っているのか、ほとんど抵抗しない。

　男の周りに男に似た姿をした従者が集まってくる。

「お前達、見つかったか？」

　従者は何もいわない。

「役立たず！」
　男の瞳が赤く光る。

　グググゥ
　従者達は、苦しむ。

「ふん。早くつれて来い」
　男は、従者たちを蹴飛ばす。
　従者たちはヨロヨロと立ち上がる。


「お前も主なら、もっと従者を敬えよ」
　楓が男の前に歩いてくる。

「お前は何者だ！」
　男は、楓を見る。