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精霊と共に 歩睦の物語

第3章 せっかくの休みなのに

「涼君…」
 紅葉は涼の身体を抱きしめる。

「『拘束具』こんなもの人間につけるなんて…」
 紅葉が涼の首についた首輪を外そうとする。

〔我が共にする者。この者の拘束を解放せよ〕
 言葉を言い終わると、涼の首に輝く物が幾つか輝いた。

 輝きが消える頃には、拘束具はなくなっていた。

「…うぅー…」
 涼が、意識を取り戻す。

「よし!楓ちゃん。涼君確保」
 紅葉が楓にサインを送る。

「オッケイ!時間稼ぎは終わり」
 楓は、防御の回数を減らし、攻撃に力を注ぐ。


〔我に従う精霊達よ、この地を汚す彷徨う者を祓う力をココへ〕
 持っていた剣が輝く。

「負の力消え去れ」
 輝きは男を切る。

  ギャャャー
 男の体が溶けはじめる。

「いやだ、私は選ばれたのだ。選ばれたぁぁ」
 男は溶けて消えた。

 従者たちも消えていく。

「ふー、排除完了」
 紅葉が持っていた剣を離すとスッと剣が消える。

「紅葉ちゃん、涼は?」
 楓は急いで、涼に駆け寄る。

「眠っている。少し生気を吸われたみたい」
 紅葉の膝の上に涼の頭がある。

「よかった」
 楓は涼の頭を撫ぜる。

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