精霊と共に 歩睦の物語
第4章 橘様の浴衣の夜会
部活の休みをなんとかやり過ごした歩睦たちは、夏の大会にむかって練習をしていた。
「小休止!」
監督の声が道場に響く。
「はー、疲れたー」
面を取り、座り込む生徒達。
個人が持ってきている水筒から、水分補給をする。
「はい、歩睦ちゃん」
楓は可愛い柄の水筒をもって走ってくる。
「あー…僕、自分の持ってますから…」
歩睦は直飲みの水筒を取り出す。
「私特性栄養ドリンクなのに!飲んでよ!」
楓の過保護は、はたから見ても“過ぎる”と思うぐらいになっていた。
「楓先輩。僕にください」
その中に涼も飛び込んでくる。
「いやよ、私は歩睦ちゃんにあげるの」
水筒を涼に取られないように高く持ち上げる楓。
「そんな、僕も欲しいです」
水筒を取ろうと楓の周りをウロウロしている涼。
「ははは」
その光景を見て、部員達は笑う。
(涼…あいも変わらず、場を保つのがうまいなぁ)
歩睦は、心の中で思っていた。
歩睦は練習している時は、無心なるが、こうやって休憩していると、あの日の事が思い出す。
(ああ、まだだ…)
力なく倒れた涼の顔…思い出すだけで、ゾッとする。
(あれが遥香だったら、僕はきっと……)
休憩の時の飲もうと思って持ってきているポカリを一口飲んだ時、なぜか…遥香の笑顔が浮かんだ。
(ん…?なんで遥香の顔…思い出した?)
ゴクゴク飲み干す。
パン!パン!
外で乾いた空砲が二回なった。
「小休止!」
監督の声が道場に響く。
「はー、疲れたー」
面を取り、座り込む生徒達。
個人が持ってきている水筒から、水分補給をする。
「はい、歩睦ちゃん」
楓は可愛い柄の水筒をもって走ってくる。
「あー…僕、自分の持ってますから…」
歩睦は直飲みの水筒を取り出す。
「私特性栄養ドリンクなのに!飲んでよ!」
楓の過保護は、はたから見ても“過ぎる”と思うぐらいになっていた。
「楓先輩。僕にください」
その中に涼も飛び込んでくる。
「いやよ、私は歩睦ちゃんにあげるの」
水筒を涼に取られないように高く持ち上げる楓。
「そんな、僕も欲しいです」
水筒を取ろうと楓の周りをウロウロしている涼。
「ははは」
その光景を見て、部員達は笑う。
(涼…あいも変わらず、場を保つのがうまいなぁ)
歩睦は、心の中で思っていた。
歩睦は練習している時は、無心なるが、こうやって休憩していると、あの日の事が思い出す。
(ああ、まだだ…)
力なく倒れた涼の顔…思い出すだけで、ゾッとする。
(あれが遥香だったら、僕はきっと……)
休憩の時の飲もうと思って持ってきているポカリを一口飲んだ時、なぜか…遥香の笑顔が浮かんだ。
(ん…?なんで遥香の顔…思い出した?)
ゴクゴク飲み干す。
パン!パン!
外で乾いた空砲が二回なった。