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精霊と共に 歩睦の物語

第4章 橘様の浴衣の夜会

「ほらぁ…こうなると、大変なんだから…」
 歩睦はヤレヤレといった顔をする。

「最近…遥香の名前聞くだけで、泣くんだよ。困ってる」

「ごめん、知らなかった」

「べつにいいよ」
 歩睦は楓の側に行き。

「踊りは家族で行きますので、ご心配なく」
 歩睦は笑顔で言う。

「じゃ花火は、一緒に見ましょ!」
 楓がぴょんと歩睦に近づく。

「そうですね。踊りが終わったら、みんなで花火行きましょう」
 歩睦は楓をなだめる為だけの言葉を言っている。

「分かったわ」
 楓の機嫌がよくなっていく。

「いいのか?」
 涼が心配する。

「いいさ、その方が色々と…あ!楓先輩!」
 歩睦は何かをひらめいたのか、楓に耳打ちする。

「あら!わかったわ」
 楓はOKサインをすると、携帯を取り出して話しはじめた。

「なんだ、あのテンション!」
 涼は何かよくないことが起こりそうだと、危惧する。

「大丈夫。楽しい事をやってると、楓先輩は落ち着くんだよ、涼も今晩踊るだろ?」

「もちろん!」

「じゃ、花火一緒にいこうな。僕の友達も呼ぶから、仲良くしてくれよ!」

「ああ」
 涼はグーで挨拶する。

「小休止終わり」
 監督の声が響く。

「はい!」
 生徒達は、練習を始める。

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