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精霊と共に 歩睦の物語

第4章 橘様の浴衣の夜会

     *****

「ただいま!」
 歩睦が家に帰った。

「おかえり!」
 実が家の中から返事を返す。

「お邪魔してるぞ!」
 リビングで実ともう一人男の子がテレビゲームをしていた。

「柾季!追い出されたのか?」
 帰って直ぐの牛乳を飲む歩睦。

 彼は陣内柾季(ジンナイ、マサキ)
 幼馴染の遥香の従姉弟。歩睦たちも、その延長のような感じで小さい時からよく遊んでいる。

「ああ、遥香の家は女子のものだとさ!」
 柾季は大きなバックを指差している。

「遥香達はもう、浴衣着てるの?」

「まずは、髪や化粧だと!あ!また負けた!」
 コントローラを振り上げる柾季。

「やった。柾季兄ちゃん、これで焼きそばもおごりね」
 ニコニコの実。

「なになに?負けた方がおごり?」
 歩睦は、牛乳を持ちながら近づいて来る。

「歩睦もやろうぜ、このままだったら、オレ破産!」
 歩睦の腕を掴む。

「僕はパス。シャワー浴びてくる!」
 柾季の腕をはらってバスルームに行く。

     *

「ふーさっぱり!」
 タオルで髪の毛を拭きながら、リビングに帰ってくる。

「お土産あるぞ!」
 シャワーから出てきた歩睦を迎える柾季。

「なに?」

「ひんやりチーズケーキ!」
 ケーキの箱を渡す。

「おお!これ好き!」
 歩睦はその箱を嬉しそうに受け取る。

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