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精霊と共に 歩睦の物語

第4章 橘様の浴衣の夜会

 神社の庭でかがり火があがった。
 その火の側に太鼓が載っている櫓がある。

 会場はすでに、たくさんの人がいた。

(見物の人…父兄?…先輩!)
 歩睦は周りを見回していると、楓と目が合った。

「歩睦ちゃん!」
 楓が手を振って走ってきた。

「先輩!?」
 歩睦は楓を受け止める。

「かっこいいわね」
 楓は歩睦の浴衣をベタベタ触る。

「楓ちゃんだめよ」
 楓を止める女性。
 その女性は他にない生成り地とピンク地のグラデーションがとてもきれいな、キュートなピンクに高貴な菊をあしらった浴衣は、可愛らしくなり過ぎないよう大人ガーリーに着こなしている。
 縦に流れるデザインとグラデーションでほっそり効果もあるデザイン。
 帯は濃い目の色を合わせるとさらに着こなし度がアップします。

「はーい」
 楓は素直に言うことを聞く。

「ごめんなさいね。よく言い聞かせておくわ」
 ニコッと笑う女性。

「あ!紅葉さん!」
女性が紅葉だと気付く歩睦。

「そうよ?気付かなかった?」

「はい!大人って感じです」

「ありがとう」
 照れる紅葉。

「紅葉さーん」
 涼がダッシュで近づいてきた。

「お綺麗です!」
 涼はキラキラした目で紅葉を見る。

「ありがとう」
 テレながら笑う紅葉。

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