無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「離せ！」
　暴れる柾季を引っ張りながら、歩睦は遥香たちの集まる所につく。

「どこにいっていたの？」
　遥香が手を振って向ける。

「暴れん坊の柾季をつれて帰ってきたよ」
　ニカッと笑う歩睦。

「なに言っているんだ！お前を迎えに行ったんだぞ！」
　怒った顔の柾季。

「はは、そうだったね。ごめんごめん」
　歩睦は片手を顔の前に出して、軽く誤る。

「たく…」
　機嫌が直らない柾季。


「歩睦の分だよ」
　遥香がラムネのビンを持って近づいてきた。

「あ！ラムネ！」
　歩睦は嬉しそうに蓋を開ける。

「のどか沸いていたんだよな…」
　ゴクゴクと喉を鳴らす歩睦。

「はーおいしい…」
　一気に飲み干す。

「いいね。私もほしい」
　背後から誰かが抱きついてきた。

「楓先輩！」
　歩睦が振向くと、そこに笑顔の楓がいた。

「紅葉ちゃんから電話きたから、走ったよ」
　楓の額はうっすら汗をかいていた。

「どこ行ってたんですか？心配したんですよ」
　詰め寄る歩睦。

「ふふ。内緒」
　楓が髪の毛をかきあげている。
　浴衣の帯はきちんと結ばれているし、怪我もしているふうはない。

「楓ちゃんお帰り」
　紅葉が、数人の大人と歩いてきた。

「ただいま」
　楓は紅葉にピースを見せる。
　その姿を見て、紅葉は微笑む。