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精霊と共に 歩睦の物語

第4章 橘様の浴衣の夜会

「あ!」
 柾季が紅葉の方に歩いていく。

「紅葉さん!」
 涼が柾季を押しのけて紅葉の前に立った。

「これから、花火に行くんですけど、一緒に行きませんか?」
 涼が目をキラキラさせながら言っている。

「ええ、みんなで行きましょ」
 紅葉は優しく微笑む。

「はぁい」
 涼が紅葉の手を取る。


「歩睦。あの女は涼くんの彼女か?」
 柾季が小声で聞いてきた。

「彼女じゃないよ、アプローチ中。だから、変な事言い出すなよ」
 歩睦は柾季の胸にグーを当てる。

「…ああ、わかった」
 柾季の何回もうなずく。

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