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「柾季！」
　遥香が柾季を大きな声で呼ぶ。

「なん？」
　たこ焼きを食べながら歩いてくる。

「翼女ちゃんと一緒に、場所取り行ってくれない？」

「え！」「え！」
　二人同時に驚く。

「女の子一人で夜道を歩くのは危ないから、ボディーガードお願いね。柾季！」
　遥香がニコッと笑ってウインクする。

「…ああ、いいよ」
　少し動揺しながら、遥香の提案を聞く柾季。

「歩睦。遥香のたのむぞ」
　照れ隠しなのか、ちょっと大げさに歩睦の肩をたたく。

「ご心配なく」
　歩睦も柾季の肩を叩き返す。


「遥香ちゃん…」
　翼女が遥香の裾を掴む。

「頑張ってね…」
　遥香は翼女にウインクする。

「…わ、わかった…頑張ってみる…」
　チラッと、柾季を見る翼女。


「じゃ、先に場所取り行くね。早く来てね」
　柾季と翼女が先に歩いていく。

　二人はその後ろ姿を見送る。

「このままデートになればいいね」
　歩睦がニコッと笑う。

「そうね。二人とも素直になれば良いのに」
　遥香もクスクス笑う。


「でぇとぉ…だと」
　楓が黒いオーラを出しながら、歩睦の後ろに立った。

「せ、先輩？」
　遥香が、初めて見る楓の顔に驚く。

「楓先輩！落ち着いて！落ち着いて！」
　歩睦が楓をなだめる。