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恋論! *-平凡ちゃんと2人の王子くん-*

第4章 彼女-*-*-幸斗side

ほんとは好きじゃない。

これを知ってるのは真白のみだ。

白[ほら幸斗、顔!ひきつりすぎだって]

こうやって耳打ちで
注意されるのも、いつものこと。
萩谷が、"私もお茶買ってこよう"と席をたって遠くにいくのを見てから、
俺はため息をついた。

幸[あいつ、まじ、なんなの?
結局買いにいくんじゃん。
なら俺の飲むなっての…。]

白[いや、買いにいかせたら
普通はそうなるだろ…。
幸斗は"好きじゃない"って顔に出過ぎだから。
相手は自分のこと好きじゃないかもしれない、
だけど期待しちゃうんだよ、女の子ってのはさ。]

幸[なに、お前(笑)なんでお前が"女の子"語ってんのww]

白[(笑)]

"好きじゃない"

俺は今まで数え切れないくらいの女と付き合ってきた。
けど、一度も本気で好きだと思ったことがない。

元カノはファンクラブがあったし、その前の彼女は読者モデルだった。

他にも令嬢やら学園のミスNo.1、先輩から後輩、ときにはだいぶ年上の人まで、

付き合っても好きだとは思わなかった。

むしろ、面倒だった。



萩谷も好きになれないみたいだし。
っていうか、いままでのやつらで順位つけたら、だいぶ下の方だ。
気は利かないし、自意識過剰だし。
話についていけねーし。

でも、ファンクラブがあった元カノの…
名前なんだっけ…たしか、梶?とかいうやつは、
ほんとに最悪だった。
なにかと、[チューしてー。]とかせがんでくるのが、特に。

はぁ。

俺はまたため息をついた。

告ってくるのも、
付き合ってから振るのも女。

俺は動かない。

[幸斗くん冷たいし。]

付き合ったたいていの女がそう言う。

そりゃそうだ。
好きじゃないし。


…ひどいって?


俺だって、これでいいと思ってるわけじゃないし、
これが楽しいわけでもない。

俺がどうしてこうなったのか、

始まりは、小学生の頃――。

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