恋論! *-平凡ちゃんと2人の王子くん-*
第6章 陽、脱☆非リア充運動-*-*-陽side
陽[痛っ――!]
いや、ありがちだけどね、
本当に痛くて思わずうずくまる。
右足。ひねったみたいだ…。
佐野くんや御崎くんに迷惑かけたくないけど、
立ち上がれない。
陽[あ、あの、気にしなっ]
気にしないで、
と言おうとしたのを遮って、
身体がふわりと浮いた。
ほんと、一瞬のことだった。
――え!?あれ!?
これってマンガの世界だったっけ!?
[軽いね…、如月さん。]
そう言ったのは、
――御崎くんだった。
陽[え!?あ、ちょ、
わわ、悪いです!
重いですよ!]
佐野くんじゃなくても
"王子"なんだから顔は
かっこいいわけで、
悪い気はしないけど――、
お姫様だっこ。
佐野くんはというと、
口をぽかんと開けて、
びっくりしていた。
白[じゃ、保健室まで運ぶから、
じっとしててね!]
陽[あ、ありがとうございます…]
白[ははっ、なんで敬語?
同級生なんだから、
タメでいいよ。]
陽[あっ、ありがとう…。]
すれ違う人からの
好奇の目はいたかったけど、
御崎くんは優しいんだな、
と思った。