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自殺旅行

第3章 独房生活

車椅子に乗っている『SD』は左足にギプスをしている。

「足、どうしたんですか?」

「骨折した~。骨がまだくっついてないんだ」

理由を聞くと『飛び下り』たらしい。四階から。私、思わず笑っちゃいました☆

「あははは。それじゃあ、死ぬのは難しいですよ~『SD』さん」

「そうなの?!」

「そうですよ~・・・・・・よっぽど運が良いか、打ち所が良いかじゃないと・・・・・・四階からじゃあ、ムリですよ~」

私は『自殺志願者』だ。首吊り希望とは言え万が一の事も考えて第二候補をあれこれ調べていたからか、自殺の方法にはかなり詳しくなっている。

しかも『飛び下り』は私の第二候補の死に方だ。

四階って・・・・・・そりゃ死なない。

『飛び下り』なら十一階以上の高さが必須。下は勿論コンクリート♪ そして頭からダイブ! 狙うは潰れたトマトか?! 割れたスイカか?! 何にせよ、これが『飛び下り』の鉄則!!!

とは言え・・・・・・『運』・・・・・そう! 死ぬにも『運』が必要不可欠!!! 何より『運』! 絶対『運』! とにかく『運』! まず『運』!

『運』が悪いと死ぬこともままならないのです!!!!!!

そして私は『運』なしです・・・・・・。

『運』が良いと僅か五メートルの高さから落ちただけでも、打ち所が良くて死ぬ人もいるというのに・・・・・・。その『運』私にプリーズ!!!

私がぶち込まれたこのキチガイ病院の前に大きな普通の病院があるのだが『SD』はそこに入院していたのだと言う。

が・・・・・・・その病院で看護師の胸を揉んでこっちに移されたらしい・・・・・・。

アホだ。

しかも彼はこのキチガイ病院の常連患者。四回~五回ほどここに入退院を繰り返しているとか・・・・・・なるほど。『アレ』は簡単には治らないんだな・・・・・・。

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