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自殺旅行

第4章  個室生活


凶悪猟奇殺人犯の一人がUFOやら星の話をしている箇所を読んだあと『SD』が部屋に来て星の話をした。勿論私は彼にこの本の事を話してはいない。

『SD』がする星の話と凶悪猟奇殺人犯の星の話とが似ている上にタイムリー過ぎてゾッとした・・・・・・。

私は何度も何度も何度もしつこく聞いた。

「それは、自分の考えですか? ・・・・・・自分で考えたのですか?」

と。聞くたび『SD』は笑顔で応える。

「うんそう。自分で考えた!」

と・・・・・・。

言ってはなんだが、彼『SD』は学がない。こういう本には興味もないようだ。






以前『SD』は私の顔をまじまじと眺めて、こう言った。

「仮名ちゃんって、八方美人だよね!!!」

「・・・・・・アハハハハ! ・・・・・・そうですね。自覚してますよ~それくらい♪」

「えっ?! ・・・・・・スゲ~~~~! 自覚してるんだ~! 遠慮とかするかと思ったけど・・・・・・でもまあ、美人だもんね~」

「????????? はぁ?!?!・・・・・・・・『SD』さん。八方美人の意味・・・・・・言ってみて下さいよ・・・・・・」

「え~? 八方から美人だ! 美人だ! って言われる人の事だよね?」

ああ・・・・・・・・・・・この人バカなんだな。

「・・・・・・違います。」

「えっ?!?!?! 違うの?!」

「ええ、違います。八方美人と言うのは誰にでも愛想がいい、八方に良い顔をすると言う意味ですよ」

「へぇ~~~・・・・・・知らなかった。でも良い顔、愛想がいいってのはいい意味だからやっぱり仮名ちゃんは八方美人だよ!」

「『SD』さん・・・・・・八方美人と言う言葉は100% 良くない意味で使われるんですよ。悪口の部類に入ります」

「えええーーーーー!!!!!! ・・・・・・知らなかった・・・・・・」





本当に学がない、頭の悪い彼がこの活字の本を読んだことなどあるだろうか? 普通の高校を出て普通の所に就職した私自身そんなに頭の良い方ではないが、失礼ながら『SD』は読んだこと無いと私は断言する。

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