自殺旅行
第10章 後日談
とりあえず幾多の不安を抱いたまま東京某区役所へ電話をした。
「あの、転出届けを出したいのですが・・・・・・少々事情が込み合いまして私いま、○県におりまして・・・・・・郵送でお願いしたいのですが」
「はい。かしこまりました。少々お待ち下さい」
この間結構な速さで消費され行く十円。
「お待たせいたしました。ではですね郵送でとの事ですので、送って頂くものがいくつかありまして、メモしていただいても宜しいですか?」
「はい。大丈夫です」
ビ~~~! 十円玉がなくなり百円玉投入! ああ勿体ない・・・・・・。
「ではまず身分証のコピー、保険証、免許証など・・・・・・・」
あ~~~~~! で・す・よ・ね~☆ 身分証無ぇ~・・・・・・・。この一番始めの時点で私の心は早くも折れそうになる。
「八十円切手を貼った返信用封筒一枚。それから紙に旧住所と新住所を書いて、お名前、お電話番号、世帯主、引っ越した日付け、最後にもう一度お名前、そしてご印鑑を・・・・・・それから~・・・・・・」
ビ~~~! 百円玉再投入!
「それらを今からお伝えする住所へ郵送して下さい。宜しいですか?」
「・・・・・・はい。どうぞ」
「では住所は・・・・・・・・・・・・・・・・・です。宜しいでしょうか?」
「はい。あの、ですね。・・・・・・私・・・・・・身分証がないんですよ・・・・・・あと、電話番号もなくてですね・・・・・・・・・・・」
「えっ?!?! ・・・・・・・・・少々お待ち下さいませ」
あぁぁぁ~~~~~~もう、本当にごめんなさい・・・・・・生きててすみませ~~~ん! もう少し待って~~~! もう少ししたらちゃんと吊るから~!
「大変お待たせいたしました。お客さま誠に申し訳ございませんが・・・・・・身分証がないのは・・・・・・・・」
で・す・よ・ね~~~! しかも電話もないし☆
ビ~~~! ・・・・・・百円・・・・・・あっ? 無い!!!
「あの! また電話します! すみません!」
ブツッ!!! ツーツーツー・・・・・・。
切れました★