テキストサイズ

自殺旅行

第2章 自殺旅行

歩いて歩いて元来た道を下る。霧雨は弱くなっていた。ようやく着いた臨時のバス乗り場。何時に来るかな~?
はい。次のバスまで30分です。
なんか・・・ことごとく待つんですね☆
臨時のバス乗り場すぐそこのお土産屋を覗く。欲しい物は何もないから完全なる冷やかしで、ごめんなさい。ヒマなんです。
そこで店番をしていたのはバスの運転手。
・・・またですか?!コスプレですか?!
流行ってんの?!ねえねえ、バスの運転手限定コスプレ!!!
流行っているのーーーーー?!?!
私が身辺整理やら死出への旅路やらで世の情報をシャットアウトしていた間に世間では『バスの運転手限定コスプレ』が?!?!?!?!?!?!
お土産屋の運転手コスのおっちゃんと世間話をダラダラしているとバスが・・・
おっちゃん、店が空になるのも気にせず外に飛び出した。
そして慣れた様子でバス誘導。
な~んだ、本当の運転手の方だったのね。
乗り込んだ帰りのバスには行きと全く同じ方々が・・・・・。
1人も欠けることなく相変わらずのコスプレ集。なにかしらこれ?デジャヴ?私には『乗る』という手段しかないわけで・・・。
来た時と全く変わらない同じメンツの車内。3人の運転手と私。
一つだけ変化があったのは、実際にバスを運転する人!
「今度は・・・オレか。交代しよう」
そう言って運転手が変わった。
なんなのだろう?そのローテーション。っていうか、ただのコスプレイヤーじゃなかったのですね。
本物の運転手の方なのですね。何か意味とかあるんだろうけど・・・まいっか♪
帰りの車内で運転手の1人が飴を配る。
運転手たちと私にも。お礼を言った私に飴の袋も手渡してきた。
「開いてるけどまだ半分以上残っているから。はい、あげる」
そう言って渡された飴の袋を見ると、私が先ほど攻防の末、婆さんからやっと1袋だけ買った飴ちゃんだった。
増えたーーーーーーーーーーー!!!

ストーリーメニュー

TOPTOPへ