自殺旅行
第2章 自殺旅行
車内でそっと開けて取り出した小さな可愛い『神使』。
つるりとした手触り。撫でる。可愛い。見つめる。可愛い。そしてまた撫でる。・・・・・ああ、可愛い。
『ありがとう』と『ごめんね』とを同時に思う。
死ぬのにね。私。この先大事にすることも出来ないくせにね。
私に選ばれ、買われたキミ。
ごめんね。勝手だけど一方的だけどありがとう。
私の最期、見届けさせる事になるなんて思ってもなかっただろうに。
そんな事のために造られたわけじゃないのにね。
ホテルのある駅に到着したのは夕方間近だった。滞在期間はあと1日。もう一ヵ所行く場所を予定していたのだけど、そこは台風被害でまだ復興してなくて入れないと、観光協会の人が言っていたなあ。
本当に私・・・運悪い。
予定がなくなってもヒマにはならない。その情報を聞いて私の中ですぐに新たな予定が立った。
急ぐ旅。しかも死に急ぐ旅。
ヒマをもて余すなんて贅沢はしない。
ヒマも有効活用しないとね♪
ホテルに戻る前にスーパーに寄り、度数の高いアルコールドリンク4缶ほどと小さなパンを買った。
「おかえりなさい」
「ただいまです」
笑顔で挨拶を交わし、部屋へ戻る。
パンを胃に収めたあと、持ってきておいた『酔い止め』と『吐き止め』を飲んだ。
シャワーを浴び、浴衣に着替えた。
部屋を薄暗くし、荷物を漁る。取り出したのはロープ。正確には大型犬用のリード。
胸を躍らせながら購入した太さの違う2本のリード。
つるりとした手触り。撫でる。可愛い。見つめる。可愛い。そしてまた撫でる。・・・・・ああ、可愛い。
『ありがとう』と『ごめんね』とを同時に思う。
死ぬのにね。私。この先大事にすることも出来ないくせにね。
私に選ばれ、買われたキミ。
ごめんね。勝手だけど一方的だけどありがとう。
私の最期、見届けさせる事になるなんて思ってもなかっただろうに。
そんな事のために造られたわけじゃないのにね。
ホテルのある駅に到着したのは夕方間近だった。滞在期間はあと1日。もう一ヵ所行く場所を予定していたのだけど、そこは台風被害でまだ復興してなくて入れないと、観光協会の人が言っていたなあ。
本当に私・・・運悪い。
予定がなくなってもヒマにはならない。その情報を聞いて私の中ですぐに新たな予定が立った。
急ぐ旅。しかも死に急ぐ旅。
ヒマをもて余すなんて贅沢はしない。
ヒマも有効活用しないとね♪
ホテルに戻る前にスーパーに寄り、度数の高いアルコールドリンク4缶ほどと小さなパンを買った。
「おかえりなさい」
「ただいまです」
笑顔で挨拶を交わし、部屋へ戻る。
パンを胃に収めたあと、持ってきておいた『酔い止め』と『吐き止め』を飲んだ。
シャワーを浴び、浴衣に着替えた。
部屋を薄暗くし、荷物を漁る。取り出したのはロープ。正確には大型犬用のリード。
胸を躍らせながら購入した太さの違う2本のリード。